2012年03月22日

「ブランドで売れるか?儲かるか?」

久しぶりのブログ更新が「昨日みた夢の話」で申し訳ありません。
が、なかなか面白い夢でしたので。

私は、新潟のとある旅館にコンサルティングに入っています。
ここは昔、テレビCMも出稿しており、皆がなんとなく名前を覚えています。
また日帰り温泉もやっているので、それなりに人数は来ています。

ここの跡継ぎの若社長が依頼主。夢見がちなボンボンで、ブランドに憧れ。
それで私に依頼が来たのです。
しかし、番頭は現実派。常に「ブランドで客が来ますか?儲かりますか?」と。
それに対して、僕も明確な答えを与えられない。
心の底で「ただ客が欲しいなら、またCMでもやればイイじゃない」と思ってます。


サテ・・・
そういう「いかにも」なシチュエーションの中、得意先に入ります。
たしかに、色々な努力をしているのが伺えます。
充実した(もう何でも売っているコンビニみたいな)売店。
子どもたちが大騒ぎしているゲームコーナー。
食事も日本食からラーメンまで、そしてカラオケスナック。
もちろん、日帰り湯も充実で朝から沢山の車が駐車場を埋めます。
しかし、この旅館の「物語」を語るコーナーでは、
如何にこの旅館が由緒正しく、昔の文人に愛されたかも展示されてます。


でも、私はひとつ気に入らないことがありました。
日帰り温泉の客を受け入れるために作った駐車場が、泊まりの部屋から見える。
少しでもチェックアウトが遅いと、そこに沢山の車が押し寄せ騒がしい。
そのうえ、チェックアウト時には日帰り温泉客のためフロントが落ち着かない。
一つひとつの努力は素晴らしいのだけど、どこかに落とし穴があるのです。
(この辺りは、もう少し長い夢でした)


そこで、社長にお話ししたことは・・・

1)この旅館には旅館の物語はあっても、お客様の物語はない。
  サービスとモノは売っていますが、時間を売っていません。
2)お客様が着いてから、帰るまでの一連の経験を検証しましょう。
3)特に「駐車場」と「日帰り湯との分離」、「部屋で受けられるサービス」
  に集中しましょう。
4)そこで何が出来るか、全員で考える機会を持ちましょう。
5)その中で「目玉」をつくり、それをコミュニケーションしましょう。
  (つまり小さなブランドで勝負するということです)

そして、番頭さんにお話ししたことは・・・

1)結果については1年間だけ猶予を下さい。
2)お客様がお帰りになってから、感謝とアンケートのフォロー手紙を出しましょう。
3)満足度とリピーター、割引率(低い方が良い)に注目しましょう。
4)社員の提案数とやり甲斐度、離職率も評価に加えてください。


ここらへんで目が醒めました。

しかし、ブランディングについては充分な議論ができたと思います。

1)モノやサービスを開発・販売するのではなく、時間や経験を販売すること。
2)選択と集中、そしてそこでのアイデア開発が短期的な効果だと言うこと。
3)単純な指標ではダメで、総合的な評価軸が必要なこと。
4)改善されるのは「価格」と「リピート率」であること。
5)全体の世界観に近づいて貰うため、分かりやすいステップが必要なこと。

などなど。
この夢は自分にとって、頭の整理に役立ちました。
ブランディングには出来ることと出来ないことはあります。
出来ることにキチンと集中して、その効果に集中することが大事だと。
さあ、今日も頑張りましょう。
posted by 小出正三 at 06:53| Comment(0) | TrackBack(0) | 「教養産業」を目指して | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年02月21日

競合プレゼンテーションに勝つ5箇条。

企画競合プレゼンテーションに勝つと言うこと。
*5箇条*

●企画競合は、同じ土俵で案の勝ち負けを競う場では「ない」。
(案はたいして差がでないことが多い。相手も必死なのだ)
そもそも、「どの土俵を選ぶか」の選択を競う場なのである。

●案の勝敗は巧妙さで決まるが、土俵の勝敗は「単純さ」で決まる。
単純さは「怖い」し、「受けない」事もある。
それをどこまで思い切れるか。自分の企画でも捨てるものは捨てる。

●もっとも大事なのは「自分たちの成功(勝敗)」ではなく、
「相手の成功(so what)」に集中できるかである。
相手が、その先をワクワクと創造できるものにする。

●プレゼンテーションの場で売るべきは、案ではない。熱意である。
熱意があれば、「言われたことで可としない」という姿勢、もう一案が出てくる。
もう一案で、オリエンに応えるのではない、オリエンを超えるのだ。

●質疑の時間は(相手が使うかどうかは別にして)発表の時間と同じだけ取る。
自分のプレゼンの「無駄」取りにもなるし、何よりもコミュニケーションの姿勢が見える。
その場合、最初から「同じ時間」質疑があることを示すこと。

グッドラック。
posted by 小出正三 at 07:34| Comment(0) | TrackBack(0) | 閑話休題*身辺抄 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年02月14日

備忘録:ファストブランディングvs.スローブランディング

自分の備忘録として、メモしておきます。(2月8日 11:09)

これからのブランディングは
「企業の 生産 品質」 の代名詞  から(ファストブランディング)
「顧客の 人生 品質」 の合い言葉  になる(スローブランディング)
と考えているんですが、上手い表現が見つからない。

例えばHONDAのバイクは「性能」。
HARLEY-DAVIDSON のバイクは「Owners Group」(の素晴らしい人生)

Appleの(SONY等と比較した場合の)成功をデザインなどのジョブズのカリスマ性(企業人リーダーシップ)に求める意見が強いけど、一方で彼らはMac発売時から、Macintosh User's Group(MUG)の育成やサポート(そこには無料のHyperCardプログラムを含む)を忘れてはいけない。
彼らはコンピューターではなく、「良き人生表現」と「友のつながり」を商ってきた。

多くの企業は「つながり」というと、「企業と顧客のつながり」だと思う。
本当に大事な繋がりは「顧客と顧客がつながる」こと。
顧客の目で観れば、見えるのは自分と自分の周り。
企業は遠くに霞んでしか見えないことを意識すべき。

ちょっとだけ宣伝。
みん大が「長岡を、そして長岡の人を ステキにする」という目標を、
そしてワークショップで「横のアイデアのつながり」を大切にするのも、
すべて、上記が理由。
今までの大学やコンサルがやっているブランディングとは反対にある。


ちなみにみんな大学で「フレームワーク」を教える背景も、型。
「ブランドって結局何の役に立つの」にたいする僕の答えは
「そこから新しいアイデアが生まれてくる」こと。
ブランドを守る・・のではなく、ブランドがあるから攻められる。
不易流行その元ひとつなり・・・が僕のブランディングです。

ちょっと頭をよぎったこと。
「企業を成長させる」のがマーケティング
「人々を成長させる」のがブランディング
この人々には顧客も、作り手も、供給者も、仲介者も、社会も含まれる「あつまり」の事。
言い過ぎかなあ?
人と人との集まりなら、間を生かして「人間」とも言えるかも。

なお、これはマーケティングの否定では無い。
マーケティングにはマーケティングの使命が、
ブランディングにはブランディングの使命があるというだけ。
posted by 小出正三 at 10:09| Comment(0) | TrackBack(0) | 「教養産業」を目指して | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする